緑内障と糖尿病:見つけておきたい結びつき
糖尿病のある方は緑内障になる危険が高く、この結びつきはまだあまり知られていません。だからこそ、あらかじめ調べておく意味があります。緑内障は長いあいだ静かに進みます。痛みもなく、見え方も落ちないまま、かなり進んだ段階まで気づかれません。ですから糖尿病のある方では、眼圧の確認と視神経の検査が、眼科での経過観察に欠かせない一部となります。なぜこの結びつきがあるのか、どう見守っていくのかをご説明します。
端的にいえば:危険は本当にあり、調べ方は簡単です
要点。糖尿病のある方では、原発開放隅角緑内障の危険が、糖尿病のない方に比べておよそ3分の1高くなります。また、進んだ糖尿病網膜症の合併症である血管新生緑内障という、重く急を要する型の危険にもさらされます。調べ方は簡単です。眼圧の測定、眼底とOCTでの視神経の検査、必要なら視野検査です。早く見つかれば、緑内障は点眼薬やレーザーでしっかり治療できます。糖尿病の経過観察のなかに定期的な確認を組み込む意味は、そこにあります。
なぜ糖尿病があると緑内障の危険が高まるのか
この結びつきは、いくつもの研究で確かめられています。あるメタ解析では、糖尿病のある方は、ない方に比べて原発開放隅角緑内障の危険がおよそ35%高いという関連が示されました。しくみとしては、次のようなものが考えられています。
- 血糖の高い状態が続くと視神経の細かな血流が損なわれ、眼圧の高さに対して弱くなります。
- 増殖糖尿病網膜症では隅角に新生血管ができることがあり、これが糖尿病に続いて起こる重い型、血管新生緑内障のもとになります。
- 一部の治療薬(炎症を伴う合併症のときに使うステロイド)は、眼圧を上げることがあります。
血管新生緑内障:急を要する状態
血管新生緑内障は、治療されないまま進んだ増殖糖尿病網膜症の、おそれられている合併症です。酸素の足りなくなった網膜が成長因子を出し、それが房水の流れ出る場所である隅角に新生血管をつくります。流れ出る道がふさがれて眼圧が急に上がり、状態は急速に日常生活を妨げるものになります。
治療は、虚血に対する網膜光凝固(レーザー)、新生血管を退かせる抗VEGFの注射、そして眼圧を下げる薬を組み合わせます。近年の研究は、見え方を守るために、早く、組み合わせて手当てすることの大切さを指摘しています。
検査と経過観察
糖尿病のある方の眼科検査には、いくつかの検査がかならず含まれます。どれも簡単で、痛みを伴いません。
- 眼圧の測定(非接触眼圧計、または接触による測定)。
- 眼底とOCTでの視神経乳頭の検査。視神経が傷んでいないかを確かめます。
- 緑内障が疑われる場合の視野検査。
- 隅角が狭くなっていることが疑われる場合の隅角鏡検査。
これらの検査は、糖尿病の眼の経過観察の診察のときに、Diabet’センター(パリ13区)の診療所で行います。ですから網膜と同じ機会に、緑内障も見つけられます。
糖尿病に伴う緑内障の治療
糖尿病のある方に緑内障が見つかった場合、治療の考え方は糖尿病のない方と同じです。まずは眼圧を下げる点眼薬(プロスタグランジン関連薬、β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬)を使います。
SLTレーザー(選択的レーザー線維柱帯形成術)は、点眼薬に加えて、あるいは点眼薬に代えて選べます。LiGHT試験では、治療から数年たっても眼圧がよく保たれることが示されました。毎日点眼を続ける負担から解放されるという利点もあります。SLTレーザーはカシャンの診療所でお受けいただけます。
よくある質問
よくあるご質問
糖尿病があると、かならず緑内障になりますか?
いいえ。糖尿病があると緑内障の危険はおよそ3分の1高くなりますが、糖尿病のある方の多くは緑内障になりません。だからこそ定期的に調べる意味があります。実際に当てはまる方を見つけ、早く治療を始められるからです。
緑内障には自覚症状がありますか?
慢性の開放隅角緑内障は、長いあいだ痛みもなく、見え方も落ちないまま進みます。静かに進む病気であり、だからこそ調べておくことが大切です。一方、血管新生緑内障では眼の痛みや赤みが出ることがあり、その場合は急を要します。
糖尿病のある方の緑内障は、どうやって見つけるのですか?
診察室で行える簡単で痛みのない検査によってです。眼圧の測定、眼底とOCTでの視神経の検査、そして必要なら視野検査です。網膜を見守るのと同じ機会に行います。
血管新生緑内障とは何ですか?
進んだ糖尿病網膜症に続いて起こる、重く急を要する型です。新生血管が房水の流れ出る道をふさぎ、眼圧が急に上がります。治療は網膜へのレーザー、抗VEGFの注射、眼圧を下げる薬を組み合わせるもので、早く行う必要があります。
SLTレーザーは点眼薬の代わりになりますか?
SLTレーザーは、はじめの治療としても、点眼薬に加える形でも選べます。LiGHT試験では長期にわたって眼圧がよく保たれることが示され、多くの方が毎日の点眼を減らす、あるいは使わずに済むようになりました。どちらを選ぶかは、おひとりずつ相談して決めます。
糖尿病をきちんと整えていれば、緑内障を防げますか?
糖尿病がよく整っていれば眼の合併症は抑えられ、とくに血管新生緑内障につながる網膜症を防げます。ただしそれで慢性の緑内障を調べなくてよいことにはならず、眼科の経過観察の一部として、引き続きおすすめしています。
参考文献
- Zhou M, Wang W, Huang W, Zhang X. Diabetes mellitus as a risk factor for open-angle glaucoma: a systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2014;9(8):e102972. PMID 25137059.
- Gazzard G, Konstantakopoulou E, Garway-Heath D, et al. Selective laser trabeculoplasty versus eye drops for first-line treatment of ocular hypertension and glaucoma (LiGHT): a multicentre randomised controlled trial. Lancet. 2019;393(10180):1505-1516. PMID 30862377.
- Updates in the treatment of neovascular glaucoma: from conventional approaches to novel therapies. Indian J Ophthalmol. 2025. PMID 40995895.
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緑内障の検査はDiabet’センター(パリ13区)で · SLTレーザーはカシャンで · 電話 +33 1 45 47 08 11
糖尿病の経過観察のなかで緑内障を調べる
緑内障を調べることは、糖尿病の眼科の経過観察のなかに自然に組み込めます。眼圧と視神経の状態をひととおり確かめたい方は、Moïse Tourabaly医師にご予約ください。パリ13区のDiabet’センターと、SLTレーザーもお受けいただけるカシャンの診療所で診察しています。
この記事は情報をお伝えし、理解を助けることを目的としたものです。医師の診察に代わるものではありません。緑内障の検査と治療は、かかりつけの眼科医のもとで受けてください。出典:PubMedに収載された論文。
執筆・監修: Dr Moïse Tourabaly、屈折矯正手術を専門とする眼科医 — キャンズ・ヴァン国立眼科病院(CHNO des Quinze-Vingts)元チーフレジデント。
最終更新: 1970年1月1日