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    飛蚊症:目の前を漂う浮遊物、心配すべき?

    飛蚊症:目の前を漂う浮遊物、心配すべき? 要点 飛蚊症(目の前に浮かぶ浮遊物)は多くの場合、良性です。加齢によって硝子体にできた濁りが、網膜に小さな影を落とすために見えます。 40代を過ぎた方、近視の方、白内障手術を受けた方に多くみられ、とくに後部硝子体剥離が起こるときに増えます。 すぐに検査が必要なサインもあります。浮遊物が突然、雨のように大量に増える、光が走って見える、視野に固定した影がある。これらは網膜裂孔を示していることがあります。 散瞳したうえでの眼底検査で網膜を確認します。新しい網膜裂孔が見つかった場合には、パリ13区の診療所でレーザー治療を行うことができます。 視界の中を漂う細い糸くずのようなもの、点、あるいはクモの巣のようなもの。気になって、不安になる方は少なくありません。これを飛蚊症、あるいは目の前に浮かぶ浮遊物と呼びます。大多数の場合は良性で、眼の中を満たすゲルの自然な加齢変化によるものです。しかし、なかにはすぐに検査が必要な状況もあります。網膜裂孔や網膜剥離の前触れであることがあるからです。ありふれたものと急ぐべきものをどう見分けるか。それがこの記事の目的です。 図解で理解する 眼球の断面図:それぞれの構造を見てみましょう 角膜、水晶体、硝子体、網膜、視神経。それぞれの構造をクリックすると、視覚での役割がわかります。 結論から:多くは良性、ときに緊急 ここが要点です。数が少なく、変化のない浮遊物は、ほぼ常に良性です。眼の中を満たすゲルである硝子体にできた小さな濁りにあたり、年齢とともに多くみられるようになります。一方で、飛蚊症が急にたくさん現れたとき、とくに光が走って見えたり、視野の中に固定した影があったりする場合は、ためらわずに受診してください。こうしたサインは、後部硝子体剥離に網膜裂孔を伴っていることを示す場合があり、この裂孔は早く見つかるほど治療しやすくなります。迷ったときは、早めに眼底検査を受けるほうが安心です。 眼球の断面図:浮遊物(飛蚊症)はどこから来るのか 角膜、水晶体、硝子体(ゲル)、網膜と、硝子体の中を漂って網膜に影を落とす浮遊物を示した、眼球の断面模式図。別枠で、患者さんに見えている像を示しています。 患者さんに見える像 角膜 水晶体 硝子体(ゲル)…

  • ドライアイとテレワーク:症状に気づき、日常で和らげる

    ドライアイと画面:仕組みを理解し、症状に気づき、和らげる 夕方になるとしみる、砂が入ったようなゴロゴロ感がある、パソコンの前で視界がかすむ。画面の使用に伴うドライアイは、いまや眼科でもっとも多い受診理由のひとつです。この記事では、なぜ乾くのかという仕組み、ご自身の症状の見分け方、そして現在の科学的知見に基づく具体的な対処法をご紹介します。 基礎知識 要点 画面の使用に伴うドライアイは、受診理由として多くみられます。画面を見ているとまばたきが減り、涙液層が不安定になります。 症状は、砂が入ったようなゴロゴロ感、しみる感じ、ときどき視界がかすむこと、あるいはかえって涙が出る反射性流涙で、夕方に強まることがよくあります。 対処の基本は、まぶたのケア(眼瞼清拭)、防腐剤無添加の人工涙液、そして作業環境の見直しです。 症状が続く場合は、受診によってどの仕組みで乾いているのかを見きわめます。重症のドライアイでは、レーシック(LASIK)が第一選択にならないことがあります。 画面の使用に伴うドライアイを理解する ドライアイは、国際的なコンセンサスであるTFOS DEWS IIにおいて、涙液層の恒常性が失われることを特徴とし、眼の症状を伴う、多因子性の眼表面の疾患と定義されています(Craig et al., The Ocular Surface, 2017)。画面を見つめているとき、おもに三つの仕組みが働いています。…

  • 春の目のアレルギー:見分け方と和らげ方

    春の目のアレルギー:見分け方と和らげ方 暖かい季節になると、鼻水、目の充血、涙目が始まりませんか。フランスでは、季節性アレルギー性結膜炎に悩む人の割合が増えています。幸い効果のある治療がありますが、その前に、眼科の診察が必要な他の「充血」の原因を除いておくことが欠かせません。 目次 季節性アレルギー性結膜炎を知る いつ眼科を受診すべきか? 利用できる対処法 目をこすることと円錐角膜:注意 受診と治療の流れ よくあるご質問 要点 季節性アレルギー性結膜炎は、花粉によって引き起こされる結膜の炎症です。かゆみ、流涙、充血を伴い、多くは4月から6月にかけて起こります。 第一選択の治療は抗ヒスタミン点眼薬で、アレルゲンの回避と生理食塩水による洗眼を組み合わせます。 視力の低下、痛み、羞明、膿性の分泌物がある場合、あるいは5〜7日たっても治療が効かない場合は、受診が必要です。 繰り返し目をこすることは円錐角膜の危険因子です。目をこする癖のあるアレルギーの患者さんは、角膜形状解析(角膜トポグラフィー)を受ける価値があります。 基礎知識 季節性アレルギー性結膜炎を知る 季節性アレルギー性結膜炎(SAC)は、花粉によって引き起こされる結膜の炎症です。その仕組みはIgEを介した即時型過敏反応で、肥満細胞から炎症のメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン)が放出されます。典型的には4月から6月にかけて起こり、イネ科植物、シラカバ、イトスギの花粉がピークをつくります。 症状としては、強い目のかゆみ、流涙、結膜のびまん性の充血、灼けるような感じ、軽度の眼瞼のむくみが典型的に組み合わさります。多くの場合アレルギー性鼻炎を伴い、そのため鼻結膜炎とも呼ばれます。Leonardiら(Curr…

  • 角膜炎:角膜の炎症の原因・症状・治療

    要点 角膜炎は角膜の炎症です。角膜とは、虹彩と瞳孔の前方、眼の最前面にある透明な膜を指します。 典型的には眼の充血と痛みに、強いまぶしさと流涙を伴います。角膜に白っぽい濁りが見える場合は、重症を示すサインです。 原因は感染性(多くは細菌性、ときにヘルペス性やアカントアメーバ性)と、非感染性(重度のドライアイ、外傷、物理的な刺激)に分かれます。 若年成人ではコンタクトレンズの装用が感染性角膜炎のもっとも頻度の高い危険因子です。装用者に充血と痛みがあれば、緊急の受診が必要です。 角膜炎:角膜の炎症の原因・症状・治療 角膜炎とは、眼の前面にあってレンズの役割を担う透明な組織、すなわち角膜の炎症です。原因によって、軽症で済むこともあれば、視力を脅かすこともあります。充血、痛み、まぶしさ、涙目がみられるときは、早めに眼科の診察を受けてください。とくにコンタクトレンズ装用者では、感染性角膜炎が急速に進行することがあります。 基礎知識 角膜炎とは? 角膜炎とは、角膜の炎症全般を指します。角膜は、虹彩と瞳孔の前方、眼の前面にある透明な膜です。角膜は光学的にも大きな役割を担っており、光はこの角膜を通って眼の中に入ります。はっきりした視界を得るには、角膜の透明性となめらかな形状が欠かせません。 角膜は、体のなかでも神経がとくに豊富に分布する組織のひとつです。角膜炎がしばしば強い痛みを伴い、光をひどくまぶしく感じるのはこのためです。表面をおおう角膜上皮は、微生物の侵入を防ぐバリアとして働きます。このバリアが弱まると、感染が成立することがあります。 角膜炎は大きく2つのグループに分けられ、対応の仕方は根本的に異なります。 病変の深さによって、上皮にとどまる表層性の角膜炎と、内側の層に及ぶ深層性(実質性)の角膜炎に分けられます。後者は瘢痕が残るリスクがより高くなります。種類と重症度を見きわめられるのは、眼科の診察だけです。 症状 角膜炎の症状は? 角膜炎は典型的には、眼の充血と痛みに、強いまぶしさと流涙を伴って現れます。これらの症状は、神経の豊富な角膜が刺激されていることの現れです。とくに急に、片眼だけに起こった場合は、ためらわずに眼科の診察を受けてください。 もっとも多い症状 角膜炎の症状は、原因が何であれ重なり合うことが少なくありません。…

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    散瞳と縮瞳:瞳孔が広がったり狭まったりするのはなぜか

    散瞳と縮瞳:瞳孔が広がったり狭まったりするのはなぜか 散瞳とは瞳孔がふだんより大きく開いた状態、縮瞳とは瞳孔がふだんより小さく狭まった状態をいいます。多くの場合これは生理的な変化で、明るさや気持ちの動きに合わせて起こっているだけです。ただし、片方の瞳孔だけ大きさが変わったとき(瞳孔不同)や、痛み、ものが二重に見える、まぶたが下がるといった症状を伴うときは、神経や眼の異常のサインであることがあり、早めに診てもらう必要があります。 理解する 要点 散瞳は瞳孔が広がった状態(5〜6mmを超えるもの)、縮瞳は瞳孔が狭まった状態(2mm未満のもの)です。どちらも、虹彩の瞳孔括約筋と瞳孔散大筋の釣り合いから生まれます。 原因の多くは生理的なもの、あるいは薬によるもの(散瞳用の点眼薬、一部の内服薬、毒性のある物質)で、心配のいらないものです。 瞳孔不同(左右の瞳孔の大きさが違う状態)に出会ったとき、いちばん大切なのは、その差が明るいところで大きくなるのか(異常なのは大きいほうの瞳孔)、暗いところで大きくなるのか(異常なのは小さいほうの瞳孔)を見分けることです。 次の組み合わせは緊急です。散瞳に痛みと眼の赤みを伴うもの(急性緑内障発作)、散瞳にまぶたの下がりと複視を伴うもの(動眼神経の障害)、縮瞳に眼瞼下垂を伴うもの(ホルネル症候群、Claude Bernard-Horner症候群)。 散瞳と縮瞳とは何か 瞳孔は虹彩の中央にある開口部で、カメラの絞りのように、眼に入る光の量を調節しています。その直径はふつう日中の明るさで2〜4mmのあいだで変わり、暗いところでは6〜8mmまで広がることがあります。この開口部を、互いに反対に働く二つの筋肉が受け持っています。 瞳孔がいつもと違って開いたままのとき散瞳、いつもと違って狭まったままのとき縮瞳(myosis、miosis)と呼びます。これらは状態を表す言葉であって、病名ではありません。大切なのはつねに、その原因を突きとめることです。原因はただの反射から神経の病気まで、さまざまです。 原因 散瞳:瞳孔が広がるわけ 生理的な原因 両方の瞳孔が広がることは、暗いところや、強い感情が動いたとき、力を出したとき、痛みがあるとき(交感神経が高まったとき)には正常な反応です。このような散瞳は左右対称で、光に反応し、一時的なものです。 薬や物質による原因 続いている散瞳の原因としては、これがもっとも多いものです。それと分かってしまえば、たいていは心配のいらないものです。…

  • ブルーライトカットレンズ:本当に信じてよいのか

    ブルーライトカットレンズ:本当に信じてよいのか ブルーライトを遮るレンズは、画面による目の疲れ、網膜の傷み、睡眠の乱れを防ぐものとして売られています。ところが、これまでに行われた臨床試験をまとめても、こうした約束は裏づけられていません。科学が実際に何を述べているのか、そして何より、画面の前で目を本当に楽にするものは何かをご説明します。 要点 要点 コクラン・レビュー2023年版(17件のランダム化比較試験)は、フィルター付きレンズが画面による目の疲れをおそらく和らげないと結論づけています。 画面が出すブルーライトは日中の自然光のおよそ千分の一です。それが網膜を傷めるという証拠はありません。 画面による目の疲れの本当の原因はまばたきの減少とドライアイであって、光の「色」ではありません。 睡眠については、何より光の強さと時間帯が効いてきます。夜に画面を減らすことは、お金もかからず、レンズより効果があります。 そもそも「ブルーライト」とは何か 目に見える光は、波長の長い赤から、波長の短い紫までの範囲でできています。ブルーライトはそのうち、およそ400〜500ナノメートルの部分にあたります。エネルギーの高い光で、太陽の自然光に豊富に含まれていますが、画面やスマートフォン、照明のLEDからも、ずっと少ない量ながら出ています。 このブルーライトそのものが「悪い」わけではありません。その一部は、生理的に欠かせない役割さえ果たしています。体内時計を合わせ、日中の私たちを目覚めさせ、注意を保たせているのです。ですから論点はブルーライトそのものではなく、はっきりとした一つの問いにあります。画面のブルーライトは危険なのか、そしてフィルター付きレンズは何かを変えるのか。 画面と太陽:量の問題 ここは宣伝が進んで触れないところです。画面を見つめて受けるブルーライトの強さは、ふつうの日に屋外で受ける量のおよそ千分の一です。明るい空に目を向けたときと比べるまでもありません。言いかえれば、画面を見るだけで網膜が傷むのなら、昼間に外へ出ることのほうがはるかに心配なはずです。毒性学でも眼科でも、危険を決めるのは量です。 うたい文句 フィルター付きレンズは何を約束しているのか ここ十年ほどで、「ブルーライトカット」のレンズや眼鏡は一般向けの商品として定着し、眼鏡を作るときの追加の選択肢として勧められることも多くなりました。挙げられる利点はおおむね三つです。 こうした主張が魅力的なのは、本当の事実に立っているからです。ブルーライトは実在し、体内時計に影響します。しかしそこには一つの飛躍があります。「ブルーライトには作用がある」から「だからそれを遮るレンズはあなたを守る」への飛躍です。研究によって確かめられるのは、まさにこの近道の部分です。 証拠…

  • 点眼薬の供給不足:何が足りず、なぜ、患者に何が変わるか

    点眼薬の供給不足:フランスで何が足りないのか、なぜか、そして患者にとって何が変わるのか 2026年7月23日、フランス医薬品・医療製品安全庁(ANSM)は、供給が逼迫している点眼薬の一覧を公表し、医療従事者に手元の在庫を節約するよう求めました。対象は11製品で、うち2つは非常に強い逼迫状態にあります。その多くは自宅で使う治療薬ではありません。眼科医が診察のあいだに使う点眼薬です。何が足りないのか、なぜなのか、そして次の受診で実際に何が変わりうるのかをご説明します。 要点 もっとも影響が大きい2つはフルオレセイン(眼の表面の傷を映し出すオレンジ色の色素)とMydriaticum(網膜を診るために瞳孔を開くトロピカミド)です。どちらも検査用の薬で、日常の治療薬ではありません。 逼迫は数か月前からさまざまな理由で続いており、今はフランス国内の製造拠点、Excelvisionの工場の不調によって強まっています。 一覧に共通するのは、その多くが一回使い切り(ユニドーズ)であることです。防腐剤を含まない、あの小さな容器です。いくつかの製品では、別の剤形や代わりの薬で必要の一部をまかなえます。 患者さんにとっていちばん大切な指示は一文で済みます。使っている治療を自己判断でやめないこと、そして買いだめをしないこと。買いだめこそが供給不足を悪化させます。 発表 ANSMが2026年7月23日に発表したこと 同庁は「Tensions en collyres : bien les prescrire pour préserver…

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