屈折矯正手術:民間の補足医療保険からいくら払い戻されるのか
近視、乱視、遠視を手術で矯正することは、ひとつの出費です。最初に浮かぶ疑問が費用のことである方も少なくありません。まず押さえておきたいのは次の点です。民間の補足医療保険(complémentaire santé)の契約の多くには、屈折矯正手術に充てられる専用の給付枠が用意されています。その金額は契約によって大きく異なり、ご自身の自己負担額を左右する最大の要因になります。一方、公的医療保険(Assurance maladie)はこの手術を「快適さのための医療行為」に分類し、給付の対象としていません。以下では、ご自身の契約の読み方、給付枠の計算の仕方、待機期間が意味するもの、そして実際に踏むべき手続きをご説明します。
ずばり:補足医療保険の給付枠はある、公的医療保険からはない
要点。 多くの民間の補足医療保険は「屈折矯正手術の給付枠」を用意しており、その表し方は契約によって四通りに分かれます。片眼あたり、手術1件あたり、暦年あたり、あるいは社会保障の月額上限額(PMSS)に対する割合です。保障の水準によって、この給付枠は数百ユーロから、片眼あたり1,000ユーロを超える額までの幅があります。一方、公的医療保険(Assurance maladie)からは一切支払われません。レーシック(LASIK)も、PRKも、SMILEも、有水晶体眼内レンズICLも給付の対象外です(ameli.fr)。最後に、この項目でよく設けられている待機期間にご注意ください。給付枠を取り逃がす原因の第一位がこれです。
公的医療保険が払い戻さない理由
屈折矯正手術は、公的医療保険(Assurance maladie)が「見え方の快適さ」に属すると見なしている光学的な矯正(眼鏡またはコンタクトレンズ)を置き換えるものです。そのため、この手術は、矯正する屈折異常の種類にかかわらず、払い戻しの対象となる医療行為には登録されていません。手術後に休職の診断書が出ないのも、同じ理屈によります。
公的医療保険は、近視について解説したページにこう明記しています。「屈折矯正手術は公的医療保険の給付対象ではありません。加入している契約によっては、一部の民間補足医療保険が、多くの場合は部分的に、これを負担します」(ameli.fr)。この規則は、眼鏡やコンタクトレンズから解放されることを目的とする限り、レーザーによるものであれ眼内レンズによるものであれ、すべての視力矯正の術式に当てはまります。区別は重要です。眼の病気を理由とする手術のほうは、給付の対象になり得ます。この点は、制度がまったく異なる白内障について、あとで改めて触れます。
補足医療保険の給付枠:その仕組み
金額を比べる前に、単位を比べる必要があります。二つの保障内容一覧表に同じ数字が並んでいても、給付枠の表し方によって意味はまったく違ってきます。そして、最も大きな差が生まれるのはまさにここです。四つの表し方が出回っています。
| 給付枠の表し方 | 実際にどうなるか | 落とし穴 |
|---|---|---|
| 片眼あたり・1年あたり | 定額に、手術を受けた眼の数を掛けたもの。年間の上限額の範囲内 | 光学関係の上限額が眼鏡と共通になっていることがある。その年に眼鏡を1本購入すると、手術に使える枠が削られる |
| 手術1件あたりの一括 | 両眼をまとめた一つの枠 | 繰り返し使えない。あとで再矯正を受けても、新たな権利は生じない |
| 年間、手術の回数を問わず | 暦年に1回、手術の件数にかかわらず | 前の型と混同しないこと。二つの暦年にまたがって両眼を手術すると、権利が2回分になることがある |
| 社会保障の月額上限額(PMSS)に対する割合 | 2026年のPMSS(4,005ユーロ)の25%は、片眼あたり約1,001ユーロにあたる | ほぼ企業の団体契約でしか見られない表し方。金額は毎年1月1日に変わる |
契約ごとの差は大きく、保障の水準が高い契約ほど、当然ながら手厚い給付枠を設けています。署名する前、あるいは手術の日程を決める前に読んでおきたい条項が、ほかに三つあります。後述する待機期間、除外事項と上限額(とりわけ光学関係の項目と上限額を共有していないか)、そして一部の契約が定めている加入者の生涯で1回限りという制限です。
ご自身にどのような権利があるかを知るには、保障内容一覧表のなかで「屈折矯正手術(chirurgie réfractive)」「眼の手術(chirurgie de l’œil)」「近視の手術(opération de la myopie)」といった行をお探しください。判断に迷う場合は、加入先の担当者に電話をすれば、正確な金額と条件を確認できます。
給付枠の単位はよく読んでください。「片眼あたり」と表示された金額は、両眼を手術すれば倍になりますが、「1年・被保険者1人あたり」の上限額は、手術した眼の数にかかわらず、手術全体に対して適用されます。また、最も高い給付枠を一定の加入年数に達した人にだけ認める契約や、加入者の生涯で1回限りとする契約もあります。こうした細部で、最終的な計算はかなり変わります。
待機期間にご注意ください
多くの補足医療保険は、屈折矯正手術に待機期間を設けています。実務上は、契約によって加入から3か月から12か月の幅があります。これを定めた法令はなく、保険会社ごとに独自に決めています。この期間が終わる前に手術を受けると、給付枠は支払われず、あとから遡って支払われることもありません。給付枠を取り逃がす原因の第一位がこれであり、しかも完全に避けられるものです。待機期間が終わる日付は契約の約款に記載されており、その後に手術の日程を組めばよいだけです。
この期間は、多くの方が抱く疑問に直結します。より手厚い給付枠を得るために、契約を変えたり上位のプランに移ったりすべきでしょうか。計算は一行で書けます。
正味の利益 = 受け取る給付枠 −(毎月の保険料の増加分 × 加入している月数)
例を挙げると分かりやすくなります。上位のプランは月に25ユーロ高く、12か月の待機期間ののちに600ユーロの給付枠が得られるとします。手術の時点で、追加で支払った保険料は300ユーロですから、正味の利益は300ユーロです。待機期間が24か月であれば、追加負担は600ユーロに達し、正味の利益はゼロになります。しかもこの計算は、手術までその契約を持ち続けることを前提としています。つまり、上位のプランが医療のほかの項目で何をもたらすのか、あるいはもたらさないのかも、あわせて考える必要があります。
払い戻しを受けるには:手続き
よい知らせがあります。手続きは簡単で、いくつかの段階で終わります。手続きの土台になるのは二つの書類、すなわち手術前に渡される見積書と、手術後に渡される領収済みの請求書です。加入先の補足医療保険は、これをもとに、ご自身に認められる給付枠を計算して支払います。
- 詳細な見積書を受け取る。 術前検査の結果が出たあとにお渡しします。選ばれた術式(レーシック、PRK、SMILE)、片眼あたりの費用、そして施設のパッケージ料金に何が含まれるかが記載されています。
- この見積書を加入先に送る。 「事前給付の承認」を求めるか、少なくとも払い戻される金額の書面での見積もりを求めてください。この段階を踏んでおけば、決断する前に曖昧さがなくなります。
- 給付枠の性質を確認する。 担当者が示した給付枠が、手術も含めた光学関係の枠なのか、眼鏡とコンタクトレンズの項目とは別に立てられた「屈折矯正手術」専用の行なのかを確かめてください。
- 手術後、領収済みの請求書を送る。 オンラインの会員ページから、または郵送で、加入先に提出します。給付枠は、契約に定められた方法で支払われます。
屈折矯正手術は公的医療保険が払い戻す医療行為ではないため、ほとんどの場合、社会保障に提出する診療報酬明細(feuille de soins)はありません。したがって手続きは、加入先とのやり取りだけで完結し、その分だけ簡単になります。
自己負担として残る分と、費用を工面する方法
率直に申し上げます。給付枠が手厚くても、自己負担はほぼ必ず残ります。補足医療保険の給付枠が賄うのは費用の一部であり、全額に届くことはまれです。両眼を手術する場合はなおさらです。この自己負担額を前もって見積もっておけば、思わぬ出費を避けられ、落ち着いて判断できます。
計算は単純です。見積書の金額から、加入先が示した給付枠を差し引いてください。その差額が、ご自身で負担する分にあたります。契約と術式によって、この自己負担額は数百ユーロにとどまることもあれば、保障に屈折矯正手術の行がない場合には、費用のほぼ全額になることもあります。
この負担を軽くする手立てはいくつかあります。多くの施設が分割払いを用意しており、手術当日にすべてを支払わずに、費用を数か月に分けることができます。中期的に手術を考えているのであれば、契約を更新する時期に保障の水準を比べてみるのも賢明です。さらに、契約によっては、同じ暦年のうちに両眼を手術することで、年間の給付枠を無駄なく使えることもあります。
自己負担を減らす:押さえておきたい行動
- 決める前に詳細な見積書を求める。 術式、片眼あたりの費用、含まれるものが記載されています。
- 給付枠と見積書を突き合わせる。 実際の自己負担額を見積もるためです。
- 待機期間の終わる日を確認する。 そのうえで手術の日程を組んでください。
- 施設が用意している支払いの方法を尋ねる。 費用を分けて支払える場合があります。
FAQ
よくあるご質問
補足医療保険の給付枠は、いくらくらいが一般的ですか?
契約による差が大きいのが実情です。屈折矯正手術の給付枠は、おおむね数百ユーロから1,000ユーロを超える額までで、片眼あたり、あるいは1年・被保険者1人あたりで表されます。ご自身の状況に当てはまる正確な金額が分かるのは、保障内容一覧表か、加入先の担当者だけです。
公的医療保険は屈折矯正手術を払い戻しますか?
いいえ。公的医療保険(Assurance maladie)は屈折矯正手術を快適さのための医療行為と見なしており、術式がレーシック、PRK、SMILE、有水晶体眼内レンズのいずれであっても、給付の対象としていません。専用の給付枠を設けられるのは、ご契約に応じて、民間の補足医療保険だけです。
補足医療保険に出す見積書は、どうすれば手に入りますか?
詳細な見積書は、術前検査の結果が出たあとにお渡しします。選ばれた術式、片眼あたりの費用、含まれるものが記載されています。決断する前に、これを加入先に送り、事前給付の承認か、払い戻される金額の書面での見積もりを求めてください。
分割で支払えますか?
多くの施設が分割払いを用意しており、手術当日にすべてを支払うのではなく、費用を数か月に分けることができます。条件は施設ごとに異なりますので、診察の際に詳しくお尋ねください。
どのような書類を提出する必要がありますか?
通常は二つの書類で足ります。手術前の詳細な見積書と、手術後の領収済みの請求書です。オンラインの会員ページから、または郵送で、加入先に提出してください。屈折矯正手術は公的医療保険から払い戻されないため、診療報酬明細(feuille de soins)を提出する必要はありません。
白内障の払い戻しは違うのですか?
はい。白内障の手術は眼の病気に対する手術です。公的医療保険が負担し、補足医療保険が上乗せする場合もあります。したがって、純粋に光学的な矯正である屈折矯正手術とは、制度がまったく異なります。
有水晶体眼内レンズ(ICL)はどうですか?
有水晶体眼内レンズは、とりわけレーザーの対象にならない強度近視の方に提案されるもので、扱いは同じです。公的医療保険からの給付はありませんが、ご契約によっては補足医療保険の給付枠を使える場合があります。
この費用を所得から控除できますか?
屈折矯正手術に対する特別な税の控除はありません。費用を減らすのは、加入先の給付枠だけです。ご自身の状況に当てはまる金額は、加入先にお問い合わせください。
出典
- Assurance maladie(フランス公的医療保険). Correction de la myopie et suivi de l’enfant myope — « La chirurgie réfractive n’est pas prise en charge par l’Assurance Maladie. »(屈折矯正手術は公的医療保険の給付対象ではありません。) ameli.fr.
- 2025年12月22日付アレテ(2026年の社会保障上限額を定める省令)— 月額上限額は4,005ユーロ。 legifrance.gouv.fr.
- Assurance maladie. Lunettes et lentilles : remboursement — 装用する片眼あたり年間39.48ユーロの定額枠、60%の償還、適応条件あり。 ameli.fr.
- DREES. L’optique médicale、Les dépenses de santé en 2024 所収、2025年版、フィッシュ16。 drees.solidarites-sante.gouv.fr.
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費用は、ご自身の眼に適した術式によって変わります。その術式は、術前検査によって決まります。予算と支払いの方法をはっきりさせるには、屈折矯正手術の料金のページをご覧いただき、そのうえで、カシャンまたはパリ5区のMoïse Tourabaly医師の診察をご予約のうえ、個別の見積書をお受け取りください。
本記事は情報提供と啓発を目的としたものであり、医師の診察に代わるものでも、保険に関する助言に代わるものでもありません。給付枠の金額、条件、待機期間は民間の補足医療保険の契約ごとに異なります。ご自身の保障内容は加入先にご確認ください。屈折矯正手術は公的医療保険の給付対象ではありません。
執筆・監修: Dr Moïse Tourabaly、屈折矯正手術を専門とする眼科医 — キャンズ・ヴァン国立眼科病院(CHNO des Quinze-Vingts)元チーフレジデント。
最終更新: 2026年9月26日

